デリヘルでは川越青梅日記 イエネコ

  • 投稿者 : 昼下がりの団地妻 
  • 2015年5月23日 8:38 AM

自分を取り囲む闇や夜のことを考えるくらいなら、階段の段数を数えることに意識を集中しているほうがまだましだった。けれども二百七十三段まで数えたところで、思考はほとんど停止した。あとはもうこの終わりのない階段を下りる行為に集中するだけ。あるいはその先に待っているのは死なのかもしれなかった。この周辺では川越にデリヘルってあるの?とかお考えですか?川越で不動の人気を誇るコチラでしたよ。リアルに。細長く曲がりくねった階段のなか、方向感覚はもちろん、時間や現実の感覚まで失っていた。いまはただ、自分を殺そうとしているかもしれない男のあとについていく以外、ほかにできることはない。いちばん下にたどり着いたところでふいにめまいがして、一瞬、体がふらついた。すると突然、暗闇のなかでマッチに火がつけられ、あまりのまぶしさに目を細めた。売れっ子風俗嬢は目の前にいるデリヘル店店長の氷のようなまなざしをまっすぐ見つめかえした。ゆっくりとこちらに向かってくるデリヘル店店長の手にはナイフが握られている。わたしはやっぱりここで死ぬんだわ、と売れっ子風俗嬢は思った。人殺しを生業(なりわい)とする男の手によって。デリヘル店店長は生きていた。そしていま、最初にすべきだったことを自分の手でやり遂げようとしている。思わず膝の力が抜け、売れっ子風俗嬢は冷たく硬い床に崩れ落ちた。絶対にあきらめまいと気を張っているのも、これが限界だった。川越?などと人妻・アナル・ローションはめったに澗痛(かんしやく)を起こしはしないが、今度ばかりははらわたが煮えくりかえる思いを抑えられそうになかった。深呼吸をし、最高級のバーボンを飲んで過剰な反応をいましめたところで、計画という計画が音をたてて崩れつつあるのは事実だった。

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